新規開発したPicoシリーズ拡張基板について その1

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先般の展示会が無事に終わりました。公園での屋外展示のなか初日に雨も降ったりしましたが、fireflakeのブースはそれなりに賑わい続け、立ち寄っていただいた農業生産者の方、機械・卸・肥料といった農系事業者の方、教育関係や公的機関の方、はたまたIoTやドローンの技術者の方などと、さまざまな話をすることができました。来ていただいた方々、本当にありがとうございました。私は家で料理をする人なので、香辛料に関して全幅の信頼を置くヱスビー食品の方に来ていただいたのが地味に嬉しかったです。

また、今回のメイン展示物である「新規開発したRaspberry Pi Picoシリーズ拡張基板」は、多くの方から好評をいただき、プロダクトとしての手応えを感じられました。以下がその拡張基板の画像です(ちなみに展示会で配布したリーフレットはアーカイブページの下の方に載せておきましたので、よければそちらもどうぞ)。

この拡張基板は様々な用途に使える汎用IoT開発基板ですが、「農業現場×DIYで実用できるアイテム」を強くイメージして設計してあります。その設計には、以前fireflakeが行ったクラウドファンディング(こちらこちら)で製作したPicoシリーズ拡張基板を、いくつかの農業現場で実際に使っていただいて得られた、リアルなフィードバックが大きく反映されています。
以下は、そのなかでも特に重要度が高いと感じたものになります。

  • DIYしたシステムを運用時に極力止めない仕組み。特に制御システムをDIYする場合、これがないと不安。
  • 様々なデバイス(センサーやリレーなど)を数多く接続できる、使いやすい接続インターフェース。
  • 数多くのデバイスを接続しても、それらすべてを安定駆動させられるだけの電力供給。
  • データログ用メディアのスロットと、データ表示用ディスプレイ用のコネクタの標準搭載。

こういった要素をすべて取り入れ、「農業現場という精密機器にとって過酷な環境」でもしっかり動作する信頼性と、自在に機能を追加できる拡張性を両立させた設計で、この拡張基板は開発されました。
これを使って、低コストで「自分がやりたいことをそのまま形にした」システムをDIYしていただくことで、特に中小規模※の生産者の方々の生産・経営の一助になればと考えています。

今回は技術やコンセプト中心なので少し硬めに書きましたが、このプロダクトのコアにあるのは「あまり負担にならないくらいの金額で、楽しく手を動かしながら、自分なりに現場改善していけると良いよね」という思いです。次回は、この基板を使った具体的なDIY例を紹介できればと思います。

※:とはいえ本質的に重要なのは生産規模の大小ではなく「小さめの試行錯誤を、低コストかつ迅速に行い、判断材料となる経験を積み重ねられること」だと考えています。これは、大規模生産や研究機関の方でも、実験的な栽培・検証を行う場面などで通じるものがあるのではと思います。
一方で、同じコストでも経営規模によってリスクの重みが変わるため、低コストDIYのメリットをより実感していただきやすいのは、中小規模の生産者の方ではないかという印象です。